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The Power of Immunity~免疫活性により進行胃がんに打ち勝った父の闘病レポート~

The Power of Immunity
~免疫活性により進行胃がんに打ち勝った父の闘病レポート~

04_入院

2006年12月20日

診断を聞いて、「俺ももう駄目かな…」とポツリとつぶやいていた父は、死という事実に直面し、覚悟を決めていたようだ。入院前に自力で職場へ出向き、全ての残務処理をこなしてきた。(到底、もうそんなことができる体では無いのに)

 

そして、いよいよ本格的ながんとの闘いが始まる。父は、先日検査を受けた県下でもかなり大きな総合病院に入院した。

病室

ガリガリにやせ細って衰弱した父の体は脱水症状も激しく、即座に点滴が打たれた。これからは長期戦になるだろう。弱った免疫力をアップさせる為、superAFTMを取り入れる事は決めたが、やはり治療の軸としての西洋医学は外すことはできない。抗がん剤や放射線の副作用が怖いが現代医療の最先端治療は施さなければ。
 
入院した病院は大きな病院ではあるが、私はここに現代医学としての治療を全て任せるという気にはならなかった。やはりがんにはがん専門の医療スタッフや最新機器の揃った病院で診て貰うのが一番ではないか。そしてその様な病院でなら、あるいは違う治療法や手術法があって治す道が拓けるのでは。父のがんにも違った見解があるかもしれない。

 

その様なことから東京都内でも随一の「がん専門」と言っていい病院にセカンドオピニオンに行くことにした。主治医は快くセカンドオピニオンの為の紹介状を書いてくれ資料を揃えてくれたので早速その病院に出向き、12月22日にセカンドオピニオンの予約を入れた。

セカンドオピニオン


父には数多くの友人がいるが、その中でも親友である「榮ちゃんとヒロシさん」は、発病した時からずっと付き添って下さっている。私がセカンドオピニオンに行くと言うと一緒に行くよ、と言ってくださった。お二人とも重職についている大変忙しい方々なのだが、父の事を本当に心配してくれ色々気を使ってくださる。本当にありがたい。榮ちゃんとヒロシさんは、私のがん専門病院でのセカンドオピニオンという選択に大変協賛して下さり、皆で一丸となって父のがんを克服しようという事で、「チームK」なる3人組を結成した。

そしてチームKの初活動といっていいセカンドオピニオンに出向いた。この「がん専門(と言っていい)病院」(A病院、としておく)は、建物も大変新しく素晴らしくきれいだ。患者にとって快適な空間を豊富にとっており、父もこんなところに入院させてあげたいと思う要素がたくさんあった。もちろん医療においても最先端の機器は言うに及ばず、専門医が数多くいて全国から患者が押し寄せ、がんの「駆け込み寺」的存在であるというのも頷ける。

待合室にはたくさんの患者さんがいたが、たぶん皆「がん」または「がん患者の家族」であろう。皆一様に疲れきった表情を浮かべていた… 。世の中には、本当にたくさんのがん患者がいるのだな、私たちと同じように皆辛い思いをしているのだな…と思いをはせた。

予約は16時だったが、なんと4時間も待たされ(お待ちいただきますとは聞いていたがこれほどとは思わなかった)、20時をまわってようやく部屋に通された。そこで消化器内科のC先生から父の治療についての見解を伺った。
 
以下、大まかな内容
----やはり現段階では、今の診断に間違いはなくこれがベストの選択と言える。手術は今の状態では無理。今掛かっている病院の消化器科には私も知り合いがいていい先生なので間違いはない。薬・治療法ともこのA病院と同じ。放射線・抗がん剤、すぐにでも始めた方がよい。

Q)つまりはこれしか方法がない、ということは延命治療でしかないということか?ステージ4ということは末期ということか?

----ステージ4といっても、別の遠い臓器に転移している時点で4となるわけで、4だから末期というわけではない。まだ末期ではなくあくまで「進行胃がん」。抗がん剤が効いて、がんの広がりを押さえる可能性もあるし、放射線によって食道が広がり食事ができる可能性も5割程度はある。

ただ、正直言って今の状態を見る限りかなり悪い状態であることは確か。明日にでも末期になる可能性があるし、末期への移行は時間の問題だろう。抗がん剤や放射線を施しても効果があるかないかはやってみないことには何とも言えない。でも先ほど言ったように全く可能性がないわけではないのでまだ諦めるには早い。

Q)こちらに入院させたいのだが。

----今空きベッドがなく2~3ヶ月待っていただく状態。現在の患者の状態を考えると入院をそれだけ待つというのはリスクが大きすぎる。すぐにでも治療を始めた方がいい。先も言ったように今かかっているところでもここと同じ治療が受けられるし、いい先生がいることは保障するので今のままそこで治療することをすすめる。

セカンドオピニオンが終わり、私は今さっき言われた事実を心に重く受け止めていた。父はかなり悪い状態で末期になるのも時間の問題… 。食事ができるようになる可能性も5割… 。もしかしたら明日をも知れぬ命… 。

先日主治医から衝撃的な宣告をされボロボロになっている今の家族にどうしてこの様な事が言えようか。ましてや父にこんな話をしたら…。父も家族ももう治すどころか生きていく気力すら失ってしまうだろう。家族には言えない。厳しい状況の話は私一人の心に留めておけばいい。榮ちゃんとヒロシさんには、この件に関して本人と家族には言わないよう口止めさせてもらった。今の家族にこれ以上の不安を持たせたくはない。私は、小さな嘘でも家族には少しでも安心をもたらす内容で伝えてあげようと決めた。

セカンドオピニオンは期待していたような内容ではなかったものの、C先生の私たちに対する真摯な姿勢や誠実な話し方に好感を持てた。何より「まだ諦めず治療をしましょう」という姿勢がとても伝わりそれがありがたかったし勇気付けられた。今の主治医は、「もう治るのは無理だからできるだけ延命して終わり」といった感じで、このC先生のように希望を持たせてくれるような話し方をする人ではなく事務的で冷たい。
 
また、A病院はドクター始めスタッフの対応が素晴らしく、本当にここに入院させてあげたいと思ったのだが、2~3ヶ月待つのは到底無理であるし放射線は一度始めたら途中で止めることができない(止めてしまったらもうできなくなる?)ということなので、現在入院中の病院での治療を開始することにした。

このセカンドオピニオンの間も榮ちゃんとヒロシさんは、まるで自分のことのように様々なことを先生に聞いてくださった。お二人とも私よりずっと詳しくかなり突っ込んだ質問などもしていただき、私も気持ち的にずいぶん助けられた。

結果として現在と同じ病院での治療となったが、このセカンドオピニオンは色々な点で大きな収穫となり行って良かったと思う。

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